頚性めまい

めまいで一般的に良く知られているのはメニエル症候群です。めまいを起こす原因はいろいろあります。当院は整形外科と耳鼻咽喉科の専門医院という性質上、めまいの患者さんを診療する機会が多くあります。耳鼻咽喉科で内耳性のめまいが否定された場合は頚椎の変化によるによるめまいがどうかを整形外科で診察します。頭を動かすことでふらふらするというめまいは頚椎の変化によるめまいが多いのです。頚椎のレントゲン写真で頚椎に椎間板の狭小と骨棘を認め、頭を動かすことによるめまいがあれば、頚性めまいの可能性が高く疑われます。このような患者さんは整形外科で頚椎症の治療をすることにより、めまいが改善する事が多くみられます。頚椎の変化で起こるめまいは、椎骨動脈の狭窄による小脳・内耳の循環障害が原因だといわれています。椎骨動脈は第6頚椎の左右の椎骨動脈管に入り、上位頚椎を通り体のバランスを司る小脳動脈に枝分かれして脳底動脈に達します。頚椎症に見られる骨棘により椎骨動脈が圧迫され小脳の循環不全が起こるため、頚性めまいを引き起こすといわれています。

図1:第5頚椎と第6頚椎の椎間板狭小と骨棘

図2:椎骨動脈は第6頚椎から椎骨動脈管を上行する

図3:骨棘が椎骨動脈を圧迫する

図4:血管撮影で椎骨動脈が骨棘で圧迫されているのがわかります。

医学書院刊 池田久夫訳:頚椎症とその神経合併症 より抜粋

頚性めまいは次の治療法で改善する症例を多く経験しています。

・頚椎部の温熱療法と頚椎牽引等の理学療法

・セファドールの投与

・ビタミンB複合剤の注射

抗めまい薬 セファドール(塩酸ジフェニドール)の薬効薬理

@椎骨脳底動脈の循環促進作用

セファドールはアンギオテンシンUにより攣縮した椎骨動脈を緩解し、その血流量を増加させる。

A前庭神経路の調整作用

セファドールは末梢前庭神経からの異常なインパルスを遮断する。

B眼振抑制作用

テトラサイクリン注入による迷路障害ウサギの自発水平性眼振及び振子様回転刺激によるウサギの眼振を抑制する。

副作用 口渇(4.45%)、食欲不振(0.43%)胸やけ(0.42%)等の消化器症状